29年前未熟児で生まれた虚弱な第三子の養生のために始めたのがテルミーです。

赤ちゃんのケアに、おっぱいのケアに、疲れた母と子のケアに、テルミーは大活躍。セルフケアにすぐれ、困った時にどれだけたよりになる療法かと身にしみた子育てでした。

この子は歩行に障害があったため、健常の子育てとは一味違う子育てでしたが、それもやがて卒業する時がきます。子育て中の母の第一の救世主が転じて、当時の自分と同じようなママたちのお産と子育てをお手伝いするセラピストとして活動するようになったのは自然な成り行きでした。

​​だから、たまご堂のモットーは、自分が幼い子を育てていた時に必要だったこと、こうしてほしかったことを叶えるような施術所にすることです。

そして、テルミーという療法で妊産婦さんをはじめさまざまな症例に対応していて、なぜテルミーが効果的なのかをもっと知りたくなっていた頃、3・11に遭遇し南三陸町へ医療ボランティアに参加したことが、私を大きく突き動かし、鍼灸師への道も開きました。

​昨年からは、テルミーの教育委託者として、テルミー療術師を育てる仕事もはじめ、鍼灸師としても辻内敬子先生のもと妊産婦の鍼灸治療をイチから学び直し、施術に鍼灸治療のエッセンスも加わりました。

ともあれ、妊婦さんへの施術は、豊穣と幸いに満ちています。赤ちゃんの笑みは私にも惜しみなく、生きる力を授けます。

「たまご堂」の‘たまご’とは、「始まり」の意味をこめてつけました。人の始まりはたった一つの卵子からスタートしますから。そして、ささやかなもの、つつましやかなもの、かわいらしいものに願いをこめる私たちの未来へと繋がっていけたらとの思いもこもっております。​​

●温熱刺激療法イトオテルミー療術師（准講師）●鍼灸師